現代ビジネスにちょっと気になる記事がありました。『ドイツがまさかの「脱・脱原発」に舵を切る可能性』という内容。
日本の政治システムは、その制度上、そうそう大きな転換を一気に進めることができない様になっています。。記憶に新しいものとしては、第一次安倍政権が崩壊し、民主党政権に変わるということがあったんだけど、民主党のあまりの中身のなさに国民が呆れ果て、結局は安倍政権に戻り、やっと安定を取り戻したような状況。これ以外に、大きく国の方針を変更したことはとんと記憶にありませんね。
それに対してドイツは違ったわけです。間も無く引退することを表明しているメルケル首相が打った大博打。それが原発の完全廃止。記事中にもあるように、そのためにドイツは苦境に立たされている。現在の日本の苦境の一つも似ています。
世の中には、理知的な思考ができない人が大勢いるんですよ。見た目が理知的でもね。脱原発が正しいのか否か。冷静に考えたいと思います。
原発問題を考える時、その核廃棄物の処理をどうするのかという点にのみ、僕は注目して考えます。まず、我々が生きていくたった数十年のために出現した核廃棄物を、今後数千年にわたって維持管理をさせられる我々の子孫に対する思いから、原子力発電をやめるべきと考えました。
現在の技術では、大深度地下に保存施設を作り、そこに運び込むことしかできません。しかも、核廃棄物をドラム缶の中でコンクリート詰めにしているだけです。ドラム缶って、腐食しないの???もっと良い方法はないの???という疑問は常に付き纏います。さらには、地殻変動が激しい日本において、大深度地下に数千年〜数万年規模で貯蔵するという方式では無理がありますね。いっそのこと、マントルにぶち込むしか・・・と、冗談の様な話しか考えつきません。
かと言って、現実的な話として、化石燃料を燃やし続け、CO2を排出し続けていくのか。核廃棄物の問題の前に地球温暖化によって人類の破滅の方が近いのではありませんかね。
では再生可能エネルギーだけで全ての電力を賄えるのかというと、賄うだけならできるかもしれませんが、今度はそのコストが凄まじいことになります。すでに国内でも様々な問題が噴出しています。耐用年数を過ぎた太陽光パネルの廃棄問題など、ひょっとするともっともっと大きい問題を引き起こすかもしれません。
恐らく人類は技術の進歩で、様々な問題を克服し、我々が死んだ後、数百年あるいは数千年後にはもっと安価に安全に電力を生み出しているのでしょう。ひょっとすると、核廃棄物の問題なんて、取るに足らないものとなっているかもしれません。コスモクリーナーDの様なものも、夢物語ではなくなっている可能性は非常に高いと思っています。
一つの結論としては、より安全でより効率の良い原子力発電を続けることが重要ではないでしょうかね。
80年代以前に作られた原発を使い続けていることは大問題だと考えます。耐用年数が近くなった原発は廃炉に向かうプロセスに入り、そして最新鋭の技術でより安全でより効率の良い原発に置き換えていくべきです。
原発反対派の運動のせいで新しく作られた原発が稼働できず、その代わりに古い原発を稼働させるというのはナンセンスです。
国内において、脱原発を唱えている方々って、どうも思想的に怪しい人ばかりなんですよね。なぜか、共産党や立憲民主党など、左翼系を支持する方々に反原発層が多いのです。この辺りが、最も反原発に違和感を唱えざるを得ない一番大きな要因でもあります。
輸入する燃料の高騰により、電気料金は中国に比べれば2倍以上になっています。欧米に比べると、まあそんなに違いはないものの、やや高め。再生エネルギーを全量買い取りを行っているドイツに比べればまだまだ安いとは言えますけど。
現在日本における電力供給の割合として、化石燃料が8割を占めているのはご存知のことですよね。ドイツでは褐炭の採掘を行い、火力発電の燃料として賄っている。それに対して日本では、ほとんどが輸入に頼っているのが実情。北海道の太平洋炭鉱(釧路炭鉱)のみが営業しているのみであり、北海道電力ではこの石炭を利用しているに過ぎない。つまり、石油・石炭・天然ガスのいずれをも輸入に頼っている日本にとって、円安+原油価格上昇の基調では、産業界に与えるダメージは非常に大きいんです。
現在の日本の生命線は、財としての質の高い工業製品をいかに安く作るかです。電気料金の高騰は死活問題なのです。そのためにも、安全な最新の原子力発電所の運用をすべきなのではないでしょうかねえ。
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